
家の中を快適に保つ空調は、四季という季節の移り変わりのある日本では必須と言えるものです。
空調設備を整える事もリフォームの1つなのですが、一般的なエアコンを使わない空調も存在します。
地中熱エネルギーを利用した空調設備
まだ欠点が多く普及はしていないのですが、地中熱を使って空調を行うシステムがあります。
数種類の方法があるのですが、基本的には5メートルほどの穴を掘って、専用の空調パイプを埋設します。
地下5メートル付近は地中の温度が26度前後と一定であることを利用して、埋設したパイプに空気を流して空気の温度を整える方法です。
常に家の中の空気が循環する事が特徴で、家の中の空気を常時地中のパイプに送り込んで、空気の温度を地中の温度に近づけてから再び家の中に戻します。
空気を取り込む時は、温度の高い空気がある天井付近から取り込み、家のなかに戻す時は床から空気を戻します。
そのため、部屋の中が夏、冬ともに26度前後に保たれるというのが特徴です。
電気代がほとんど掛からないという利点があり、一般的な空調設備と比べて最大で80%の使用電力を削減できます。
方式によって使用する電力に差はありますが、どの方式でも一般的な空調よりも大幅な節電効果があります。
導入コストは100万円から300万円ほどで、家の状態によって変化します。
住宅の一部を空気循環のためにリフォームする必要があるので、地中熱空調を導入する場合は住宅全体のリフォームを兼ねる事もあるようです。
自然な空調なので、冷え性に悩む人にとっては安全度の高い空調です。
最近では埋設したパイプ内に水を通して空気清浄機の効果を持たせたり、より冷たい空気を出せるようになっていたりと進化を続けています。
地中熱空調は外気も同時の取り込んでくれるので、家のなかの空気が常に外気から取り入れた新しいものになります。
シックハウスなどに悩む人にもある程度の改善効果が望めるようです。
電気代は格安、ただし欠点も
地中熱空調は電気代が大幅に削減できるのが利点ですが、地中に埋めたパイプがシロアリによって破られてしまい、床下にシロアリを招き入れやすいという欠点があります。
シロアリ対策を年に1階はしておかないと、住宅へのダメージを招くおそれがあります。
また、地中熱空調の命でもある地中に埋設したパイプの寿命は10年程度なので、導入コストが高過ぎると10年後の寿命を迎えた時に節約できた電気代で地中熱空調の導入費用を賄えない事があります。
電気代は安くなりますが、導入コストの方が電気代よりも高いと節約効果はありません。
まだまだ欠点も多い空調システムですが、欠点をコントロールできるのなら十分有用なものです。
取り扱っているリフォーム業者が少ないという難点もありますが、一般的な空調が苦手だという人やシックハウスに悩む人は一度導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。